訓練士を志す人へ
近年、盲導犬に関する啓発が進んで、マスメディアが盲導犬を取り上げることが多く、また就職ガイドブックにも紹介されて、盲導犬訓練士を志す人が多くなりました。
これは喜ばしいことですが、充分考えていただきたい問題もあります。
盲導犬訓練士とは?
一般に盲導犬訓練士と呼ばれるのは「盲導犬訓練士」の認定を受けた後に取得する「盲導犬歩行指導員」を指すことが多いようです。訓練士も指導員も公的な資格制度や学校はなく、国家公安委員会の指定のある盲導犬訓練施設(全国9カ所の盲導犬協会)で、定められた教科に基づいて訓練を受けます。
盲導犬訓練士になるには犬舎管理や犬の訓練技術・知識を習得し、視覚障害者の歩行に関する技術・知識、そして盲導犬による歩行指導に関する技術・知識を身につけなければなりません。研修中に訓練すべき犬の頭数も定められています。このような内容ですので、訓練士の認定を受けるまで最短で3年(4年ともいわれます)の期間が必要です。
白杖歩行指導員とは?
盲導犬訓練士の認定取得者の中で、本人に適性と意志があれば、犬を使っての視覚障害者の歩行指導も習得します。これは犬の訓練だけにとどまらず、障害者が盲導犬とともに新しい人生をスタートする過程をサポートし、その後も見守っていく責任を負うことになります。その教育方法はOJTと呼ばれる「実地に即して学んでいく」教育であり、「教科書がない」ことをあらかじめ理解しておかなければなりません。従って白杖歩行指導員になるのは早くて2年、当初から通算すれば最短5年の年月が必要です。
盲導犬協会は研修生が訓練技術、専門知識、経験事例がそれぞれ水準を満たしていることを確認の上で合否を認定しますが、ここまでたどり着くまでに訓練途中で挫折する事例もあると聞きます。
まず“盲導犬は視覚障害者の歩行を助ける役割を果たす存在”であって、“盲導犬訓練士は視覚障害者のリハビリテーションをヘルプするもの”という原点をしっかり見つめていただきたいと存じます。

